ナスを育てた話を、前に書きました。 1年目は2個しか採れなくて、2年目で30個以上採れた、あの話です。
家庭菜園、すっかり楽しくなってしまった私。 「次は何を育てよう」と考えていたとき、ふと思ったんです。
「にんにくって、育てられないのかな」
わが家、料理ににんにくをよく使うんですよ。 夫が「にんにく多めで」が口癖なくらい。 スーパーで買うと、国産のにんにくって、けっこういいお値段するんですよね。
「自分で育てられたら、いいな」と、軽い気持ちで始めてみたら…… わが家の土に、思わぬ問題が発覚したんです。
今日は、その「にんにく栽培で土の問題に気づいた話」を、正直にお話しします。 家庭菜園を始めたばかりの方の、何かの参考になれば嬉しいです。
まず、にんにくは「秋に植える」と知った
にんにくを育てよう、と思って調べて、最初に「へえ」と思ったのが、植える時期。
にんにくって、秋に植えて、初夏に収穫するんですね。 だいたい、9月下旬から10月くらいに植え付けて、翌年の6月ごろに収穫。
つまり、8〜9ヶ月かけて育てる、けっこう気の長い野菜なんです。
ナスは春に植えて夏に収穫、という数ヶ月のサイクルだったので、「冬を越して育てる」というのは、私にとって新鮮でした。 「秋に植えたものを、年を越して、初夏に収穫する」。なんだか、ロマンがありますよね。
私は、9月の終わりに植え付けることにしました。
種球選び、スーパーのにんにくじゃダメだった
「にんにくの種って、どこで売ってるんだろう」と思って、最初、スーパーで食用のにんにくを買って植えようとしたんです。
でも、調べたら、これ、あんまりおすすめされていないんですね。
食用のにんにくは、
- 発芽しにくいように処理されていることがある
- 外国産だと、日本の気候に合わないことがある
- 病気を持っている可能性もある
家庭菜園でちゃんと育てるなら、**園芸店やホームセンターで売っている「種球(しゅきゅう)」**を買うのが正解、とのこと。
私は、ホームセンターで、植え付け用の種球を買いました。 ネットを開けると、にんにくがゴロゴロ。 これを、ひと粒ずつ、バラバラにほぐして使います。
種球を選ぶときは、
- ふっくらして、大きいもの
- 傷やカビがないもの
- 芽が出る部分(とがってるほう)がしっかりしているもの
このあたりを見て選びました。
植え付けで、いきなり「あれ?」と思った
種球をバラして、いざ植え付け。
わが家には、ナスを育てた大きなプランターと、もうひとつ、庭の小さな花壇スペースがあります。 にんにくは数を植えたかったので、今回は思い切って、庭の花壇に直接植えてみることにしました。
花壇の土を、スコップで耕していたとき。
「……なんか、この土、固くない?」
ナスのときは培養土を買って使っていたので気づかなかったんですが、庭の土を直接触ってみると、なんだか様子が変。 固くて、ベタッとしていて、ところどころ白っぽい。
近くに生えている雑草を見ても、なんだか元気がない。 「植物が育ちにくい土なのかも」と、なんとなく不安になりました。
でも、その日は「まあ、なんとかなるか」と、そのまま植え付けてしまったんです。 これが、後で響いてきました。
1ヶ月後、芽の出方がバラバラ
植え付けから、3週間〜1ヶ月。 にんにくは、本来なら、にょきにょきと芽を出してくる時期です。
ところが、わが家の花壇のにんにく。
芽が出る場所と、出ない場所が、はっきり分かれている。
花壇の端っこのほうは、元気な芽が出ている。 でも、真ん中あたりは、まったく芽が出てこない。 出てきても、ヒョロヒョロして、色が薄い。
「なんで、同じ花壇なのに、こんなに差が出るの?」
ここで、私はようやく、本気で土を疑い始めました。
土の「酸度」という、知らなかった世界
調べていくうちに、たどり着いたのが「土壌の酸度(pH)」という話でした。
土には、酸性・中性・アルカリ性、というのがあるんですね。 理科の授業以来、すっかり忘れていた言葉。
そして、ほとんどの野菜は、**「弱酸性〜中性」**の土を好む。 にんにくも、そう。
ところが、日本の土は、雨が多いせいで、放っておくとだんだん酸性に傾いていくらしいんです。 特に、長年なにも手入れしていない庭の土は、酸性に寄りがち。
わが家の花壇、たぶん、何年も放置していたので、かなり酸性に傾いていたんだと思います。 酸性が強すぎる土だと、植物は根から栄養をうまく吸えなくて、育ちが悪くなる。 あの「芽の出方がバラバラ」だったのは、これが原因だったんですね。
土の酸度、測ってみた
「うちの土、本当に酸性なのかな」と思って、調べたら、酸度を測る道具が売っているんですね。
- 試験紙みたいなタイプ(液体や水に溶かした土につける)
- 土に直接挿すタイプの測定器
私は、ホームセンターで、土に挿すタイプの簡易測定器を買いました。 1,000円ちょっとだったと思います。
わが家の花壇に挿してみたら…… やっぱり、けっこう酸性寄りでした。
「やっぱりかー」と、納得すると同時に、ちょっとショック。 わが家の庭、植物にとっては、あんまり優しくない環境だったんですね。
でも、原因がわかれば、対策ができる。 それがわかっただけで、ちょっと前向きになれました。
土を「中和」する作業
酸性に傾いた土を、野菜が育ちやすい状態に戻すには、「中和」という作業が必要だそうです。
使うのは、**苦土石灰(くどせっかい)**というもの。 ホームセンターの園芸コーナーに、普通に売っています。 これを土に混ぜると、酸性に傾いた土が、中性寄りに戻っていく。
ただ、ここで大事な注意点を学びました。
苦土石灰をまいた直後に、すぐ植え付けてはいけない。
苦土石灰は、土になじむまでに、2週間くらい時間がかかる。 まいてすぐ植えると、逆に植物を傷めることがあるそうです。
私の場合、もう植え付けてしまった後だったので、今シーズンは「途中から土を直す」のが難しい状態でした。 元気のない部分のにんにくは、もう、なるべく水と追肥でフォローしながら、見守るしかない。
そして、心に誓いました。 来年植えるときは、植え付けの2週間以上前に、苦土石灰で土を作り直してから始める。
これ、本当に大事な学びでした。 家庭菜園は、「植える前の土作り」で、半分以上が決まるんですね。
元気のないにんにくを、なんとかフォロー
今シーズンのにんにくは、土の問題を抱えたままのスタートになってしまいました。 でも、できる範囲のことはやろう、と。
水やり
にんにくは、ナスほど水を欲しがる野菜ではないんですが、乾燥しすぎもよくない。 土の表面が乾いたら、たっぷりと。 冬のあいだは、土が乾きにくいので、水やりは控えめに。 このメリハリを意識しました。
追肥
芽が出てから、何回かに分けて追肥をする。 特に、元気のない部分には、少し多めに肥料をあげて、なんとか持ち直してくれるように。
寒さ対策
冬を越す野菜なので、寒さには比較的強いんですが、わが家では念のため、株元にわらや腐葉土を敷いて、土の温度が下がりすぎないようにしました。
とう立ちした芽を摘む
春になると、にんにくは「とう」という、花を咲かせるための芽を伸ばしてきます。 これをそのままにすると、栄養が花のほうに行ってしまうので、「にんにくの芽」として摘み取る。
この摘み取った「にんにくの芽」、炒め物にすると美味しいんですよ。 元気のない株からも、芽だけは収穫できて、ちょっと得した気分でした。
6月、収穫してみたら
植え付けから約9ヶ月。 6月のはじめ、葉っぱが半分くらい黄色くなってきたのが、収穫のサイン。
ドキドキしながら、掘り起こしてみました。
結果は……大きいのと、小さいのが、はっきり分かれていました。
花壇の端っこ、土の状態が比較的よかった場所のにんにくは、スーパーで売っているものに近いサイズ。 真ん中あたり、酸性が強かった場所のにんにくは、ピンポン玉より小さいくらい。
予想通りといえば、予想通りの結果。 土の状態が、そのまま、にんにくのサイズに出ていました。
でも、小さくても、ちゃんとにんにくの形をしている。 香りも、ちゃんとにんにく。 むしろ、採れたてのにんにくは、香りが強くて、みずみずしくて、感動しました。
その日の夕飯、さっそく自家製にんにくでペペロンチーノを作ったら、夫が「お、これ、香りがいいな」と。 小さいにんにくでも、家族が喜んでくれたのが、何より嬉しかったです。
この経験で、私が学んだこと
にんにく栽培で、私がいちばん学んだのは、にんにくの育て方そのものより、「土を知ることの大切さ」でした。
ナスのときは、培養土を買って使っていたので、土のことなんて、考えもしませんでした。 でも、庭の土に直接植えてみて、初めて「土には、良し悪しがある」ことを、身をもって知りました。
家庭菜園って、つい「何を植えるか」「どう育てるか」に目が行きがちですが、本当のスタートは「どんな土に植えるか」なんですね。
来年は、
- 植え付けの2週間以上前に、苦土石灰で土を中和する
- 酸度を測ってから、植える
- 堆肥や腐葉土を混ぜて、ふかふかの土を作っておく
これを、ちゃんとやってから始めます。
連作障害のことも、忘れずに
ナスのときにも書いたんですが、にんにくにも連作障害があります。
同じ場所で、にんにくやネギの仲間を、毎年続けて育てると、だんだん育ちが悪くなる。
なので、来年は、
- にんにくを植える場所を、今年とは別の場所に変える
- もしくは、土をしっかり入れ替える
これも、計画に入れています。
家庭菜園、1年やるごとに、覚えることが増えていきますね。 失敗をひとつずつ、来年への学びに変えていく。これが、なんだか楽しいんです。
土の問題が、ちょっと家族の話題になった
余談です。
「わが家の庭の土、酸性に傾いてたんだって」と家族に話したら、意外と反応があって。
中2の長男が「酸性とアルカリ性って、リトマス試験紙のやつ?」と、理科の知識をちょっと披露してくれて。 小4の長女は「土にも、好き嫌いがあるんだね」と、かわいいことを言って。 夫は「じゃあ、来年はもっと大きいにんにく採れるかもな」と。
土の酸度なんて、地味な話なのに、家族みんながちょっと興味を持ってくれた。 家庭菜園って、こういう「家族の小さな会話のタネ」にもなるんだなと、改めて思いました。
ナスのときも書きましたが、家庭菜園の本当の収穫は、野菜そのものより、こういう時間なのかもしれません。
これから、にんにくを植えてみたい方へ
最後に、私の失敗から、これからにんにくを育てたい方へのアドバイスを。
①種球は、食用じゃなく「植え付け用」を買う ホームセンターや園芸店の、専用の種球を。
②植え付けは、秋(9月下旬〜10月) 気の長い野菜です。収穫は翌年6月ごろ。
③何より、「土作り」を先にやる 庭の土に直接植えるなら、酸度を測って、必要なら苦土石灰で中和。植え付けの2週間以上前から準備を。
④プランターなら、培養土を使えば安心 土に自信がないなら、最初はプランター+市販の培養土が、いちばん失敗が少ないと思います。
⑤連作障害に気をつける 毎年、同じ場所で育てない。
さいごに
にんにくを植えてみたら、わが家の土の問題が発覚しました。
ちょっとショックだったけど、原因がわかって、来年への対策も見えた。 小さいにんにくしか採れなかったけど、その香りに感動した。 そして、土の話が、家族のちょっとした会話になった。
家庭菜園は、うまくいかないことのほうが多いです。 でも、その「うまくいかない理由」を知ることが、次の一歩につながる。 失敗が、ちゃんと、肥やしになる。
来年のにんにくは、ふかふかの、中和された土で育てます。 ご先祖様……じゃなくて、わが家の庭の土に、「来年はよろしくね」と声をかけておきました。
それでは、今日もどうぞ、ご自分のペースで、土いじりを楽しんでくださいね。
