朝、ベランダの洗濯物を干そうと、サンダルを履いて出たら。
干している横で、ふと、わたしのプランターに目が行きました。 そこに、わが家のシソが、すくすくと育っているはずだった。
「あれ、シソの葉、なんか黒い」
近づいて、よく見てみたら、
葉の裏に、小さな黒い粒々がびっしり。 しかも、その粒々が、ちょっと動いてる。
「うわっ」
声が出ました。 朝の静かなベランダに、わたしの「うわっ」が響きました。
それは、アブラムシでした。 わが家のシソの葉裏に、たぶん何十匹、いや何百匹、びっしりついていた。
「いつから?!」 「昨日、葉っぱを摘んでお味噌汁に入れたよね?!」 「まさか、そのとき食べた葉にも、いたの?!」
わたし、一人でベランダで、軽くパニックになりました。
今日は、その「夏の朝、シソの葉に大量のアブラムシを発見してしまった話」を、お話しさせてください。 わたしと同じく、家庭菜園でハーブを育てている方の、何かの参考になれば嬉しいです。
まず、状況の整理
ちょっと落ち着いて、改めて、シソのプランターを観察しました。
- 葉の裏:小さな黒い虫がびっしり(これがアブラムシ、たぶん)
- 葉の表:なんとなく、テカテカしている部分がある(虫の排泄物らしい)
- 葉の色:いつもより少し、黄色っぽくなってる葉もある(虫に吸われたから?)
- 新芽:特に、新しい柔らかい葉に、大量についている
なるほど、これ、気づかないうちに、虫の繁殖地になっていたんですね。
シソは、わたしが何ヶ月か前に種から育てて、毎日毎日水をやって、ここまで大きくしたもの。 お味噌汁の薬味に、ちょっと入れたり、お刺身の下に敷いたり、わが家の夏の食卓に、地味に活躍してくれていた。
それが、いつのまにか、虫だらけ。 「ショック」と「気持ち悪い」が混ざった、複雑な気持ち。
ところで、アブラムシって何?
ベランダから一旦戻って、落ち着いてから、調べてみました。
アブラムシって、世界中にいる、よくいる害虫らしいです。 小さい(1〜2ミリくらい)、植物の汁を吸って育つ、繁殖力が異常に強い。
異常に強い、というのは、本当に異常らしいんです。
調べてみたら、アブラムシは、メスが単独で繁殖できる(処女生殖)。 オスがいなくても、メスがどんどん子どもを産んでいく。 1匹のメスが、1日に数匹の子どもを産み、その子どもも数日で大人になって、また子どもを産む。
つまり、最初の1匹を見落とすと、1〜2週間で、数百匹、数千匹に増える。
こわい。
わたしが今朝見たびっしり、これ、たぶん最初の1〜2匹が、知らない間に、こうやって増えていった結果なんだろう。 たかが虫、と侮るなかれ、と、初めて家庭菜園3年目で、本気で思いました。
なぜ、夏の朝に大発生するのか
これも、調べました。
アブラムシは、気温20〜25度くらいが、いちばん活発になるそうです。 梅雨明け前後の、湿度が高くて気温が上がる時期が、まさにアブラムシの天国。 今、6月中旬から下旬。条件、完璧。
そして、ベランダのプランターって、地面で育てる野菜よりも、アブラムシがつきやすい環境らしいです。 理由は、
- 周りに天敵(テントウムシなど)が少ない
- 風通しが場所によって悪い
- 気温が上がりやすい
わが家のベランダ、まさにこの条件。 日当たりは良いんだけど、風はそんなに通らない。 そして、テントウムシなんて、住宅街のベランダには、なかなか来ない。
そりゃ、アブラムシ天国になるわけだ、と、ちょっと納得しました。
どうする?選択肢を整理
落ち着いて、選択肢を考えました。
シソ、食べる前提で育てているので、
①殺虫剤を使う
これがいちばん早い。でも、わが家のシソは、食べるためのもの。 強い殺虫剤をかけて、それを家族に食べさせるのは、ちょっと抵抗がある。 食品にも使える、農薬登録された安全なものもあるんですが、それでも、なんとなく気が引ける。
②全部、抜いて、捨てる
潔く、シソを諦める方法。 ただ、ここまで育てたものを、捨てるのも忍びない。 そして、虫がついたから諦めるって、なんだか負けた気がする。
③自然な方法で、対処する
水で洗い流す、手でつまむ、牛乳水をかける、など、調べると、いろんな民間方法が出てくる。 時間がかかるけど、食品としての安全性は最も高い。
④しばらく放っておく
これは、選択肢としては、たぶん間違い。 1〜2週間後には、本当に手がつけられない数になる、と読みました。
わたしは、③の自然な方法で挑戦してみることにしました。 もしダメだったら、潔く④で諦める、と決めて。
わたしがやってみたこと
調べた範囲で、わたしがやってみた対処法を、書いておきます。
①勢いよく、水で流す
これがいちばん基本らしいです。 シャワーノズルで、シソの葉裏に、勢いよく水をかける。 アブラムシは、水で吹き飛ばされて、葉から落ちる。 落ちたアブラムシは、再び葉に戻れる能力が低いので、これだけでけっこう数が減るそう。
実際にやってみたら、確かに、ぽろぽろと黒い粒々が落ちていきました。 気持ちいい(笑) シソの葉も、葉裏まできれいに洗えて、なんとなくスッキリ。
ただ、葉に強くくっついているやつは、水だけだと残ります。 特に、新芽の柔らかい葉についているのは、頑固。
②手でつまむ・ヘラで取る
水で流しても残った頑固なアブラムシは、割り箸の先や、ヘラでこそげ取る。 葉を傷めないように、優しく、優しく。
これ、地味な作業です。 朝のベランダで、わたし、シソの葉と1枚ずつ向き合って、虫を取り除いていく。 中2の長男が、リビングから「何やってんの、母さん」と覗き込んできた。 「虫取りだよ」と、わたしは答えました。 「地味だね」と、長男。 地味です、本当に。
③葉裏に牛乳水をかける(後日)
これは、追加で試したもの。 水で薄めた牛乳を、葉裏にスプレーする、という民間方法があるそうです。 牛乳が乾くと、アブラムシの体を覆って、息ができなくなる、という仕組みらしい。
ただ、これ、
- 乾いた後、必ず水で洗い流すこと
- 使う前に、葉の一部で試して、植物に異常が出ないか確認すること
- 食べる予定の葉には、慎重に
など、注意点がある方法。
わたしは、念のため、1〜2枚の葉でテストしてから、全体にかけてみました。 翌日、しっかり水で洗い流して、その葉は、念のため食用にはせず、観察用として残しました。
これも、ある程度効果があった気がします(気のせいかもしれませんが)。
④傷んだ葉は、潔く摘み取る
すでに虫の被害が大きい葉、黄色くなった葉、新芽のうちに食害された葉は、潔く摘み取って、ゴミに出す。 「もったいない」と思って残すと、そこから再発するらしい。 心を鬼にして、ハサミでチョキチョキ。
わたしが学んだ「予防」のこと
虫の対処と並行して、調べていて知った「予防」の話も、書いておきます。
①風通しを良くする
プランターを並べすぎず、間隔をあけて。 葉が混みすぎないように、こまめに摘心(先端を摘む)。
②混植する(コンパニオンプランツ)
シソやバジルの近くに、マリーゴールドやニラを植えると、虫が寄ってきにくくなるらしい。 これは知らなかった。来年は、ハーブのプランターの隅に、マリーゴールドを混植してみようかと思います。
③こまめに、葉裏をチェック
これがたぶん、いちばん大事。 毎日、葉裏を見る習慣をつけていたら、たぶん、今回みたいに「ある朝、突然びっしり」とはならなかった。 水やりのついでに、葉裏もチェック。 これからの夏は、絶対にやろうと心に決めました。
④虫がついたら、早く対処
これも、当たり前のようで、難しい。 1〜2匹見つけても、「まあ、いいか」と放っておくと、1週間後に大変なことになる。 見つけたら、その日のうちに対処。 これも、覚えました。
食べる前提のハーブを育てる、ということ
今回のことで、改めて、考えました。
家庭菜園で、食べる前提のハーブや野菜を育てる、ということは、
虫との戦いを引き受ける、ということ
なんですね。 スーパーで売っているシソやバジルは、農家さんが農薬を使ったり、ハウスで虫を完全に管理したり、いろんな手間をかけて、虫のない状態で出荷されている。 それが、当たり前のように、わたしたちの食卓に届く。
わが家のベランダで、虫だらけになったシソを見ながら、 「虫がつくのが、本当は普通なんだ」 と、ちょっと思いました。
虫のいないシソが届くまでの裏側に、たぶん、わたしには想像もつかない苦労があるんだろう、と。 スーパーの野菜の有り難みを、虫だらけのプランターを前に、しみじみ感じる夏の朝でした。
数日後のシソは
水で流して、ヘラで取って、傷んだ葉を摘んで、葉裏チェックを毎日。 これを数日続けたら、シソは、なんとか持ち直しました。
完全にアブラムシゼロにはなっていないけれど、もう、葉裏にびっしり、ということはない。 新芽も、また元気に出てきている。
そして、わたしは、毎日、葉裏チェックを続けています。 水やりのついでに、葉を裏返して、「今日は、いない?」と確認する。 これだけで、もう以前のような大発生は防げそう。
「自然に育てるって、こういう手間込みなんだな**」と、改めて思いました。 自然って、放っておけば順調、ではない。 自然と付き合っていく、ということは、人間の手間も含めての話なんですね。
子どもたちの反応
わたしが朝、ベランダで虫を取っているのを見ていた長女(小4)が、夕食のときに聞いてきました。
「ねえ、母さん、シソについてた黒いの、なに?」 「アブラムシっていう、小さい虫」 「えー、わたしたち、それついた葉っぱ、食べてたかも?」 「たぶん、洗って食べてたから、大丈夫だよ(と、自分にも言い聞かせる)」
長女、しばらく考えて、
「それも、たんぱく質?」
って、聞いてきました(笑)
中2の長男が、思わず吹き出して、 「お前、虫食感覚あるな」と。
夫が、「なんで虫の話を、食事中にするんだ」と、苦笑い。
わが家の食卓、こんな感じで、虫の話が普通に出てくるようになりました。
子どもって、虫に対する感覚が、けっこう柔軟なんですよね。 わたしのほうが「うわっ」と過剰反応しがち。 家庭菜園、続けていると、虫との距離感も、家族で変わってくるみたいです。
さいごに
夏の朝、ベランダのプランターに、突然、虫がびっしり。
これは、家庭菜園を始めて3年目のわたしが、初めてしっかり向き合った、本気の虫トラブルでした。 最初は「うわっ」と声が出て、捨ててしまおうかとも思って、でも、調べて、自分なりの対処をして、今もシソは生きている。
虫と向き合う、というのも、家庭菜園の一部。 これがわかっただけでも、今回の朝の「うわっ」は、いい勉強になりました。
それでは、家庭菜園で野菜やハーブを育てている方、夏の朝、ベランダの植物の葉裏を、ちょっとだけ気にしてあげてください。 そして、もし「うわっ」となっても、すぐに諦めないでください。 意外と、なんとかなりますよ。
