ある朝、洗濯物を干そうとして、ベランダで腕を上げたら。
「いてっ……」
右肩の奥のほうに、ピリッとした痛み。 そのまま、無理して腕を上に伸ばしたら、もっと痛い。 洗濯物を干す、というだけのことが、その朝、ものすごく辛い作業になりました。
「えっ、なに、これ……」
思い当たることが、ありませんでした。 ぶつけたわけでも、無理した覚えもない。 ただ、ある日、突然、肩が痛い。
夫に話したら、ひと言。
「それ、四十肩じゃない?」
四十肩。 聞いたことはあった言葉だけれど、まさか、自分が、と。 わたし、まだ「40代後半」だし、運動だってそれなりにしてきたし、と思っていたんですが、ふと振り返ると、すでに45歳を過ぎている。 四十肩、来るタイミング、ど真ん中だったんですね。
そして、整形外科に行って、原因を聞いて、ネットでも調べて……
「四十肩って、原因が、まだ完全にわかってないらしい」
これが、わたしが知って、いちばん驚いたことでした。
今日は、その「四十肩になって、原因を調べたら、いろんな説があって、結局よくわからなかった話」を、書かせてください。
先に大事なことを書いておきますね。 肩の痛みは、自己判断せず、必ず整形外科や、お医者さんに相談してください。 他の病気の可能性もあるので、勝手に「これは四十肩だ」と決めないことが大事です。
まず、整形外科に行きました
肩の痛みが2週間続いて、これは病院、と決めて、近所の整形外科に行きました。
これ、本当に行ってよかった。 わたし、最初は「まあ、そのうち治るかな」と思っていたんです。 でも、調べたら、肩の痛みは、
- 四十肩(肩関節周囲炎)
- 腱板損傷
- 関節リウマチ
- その他、内臓疾患からくる関連痛
など、いろんな可能性がある。 素人の自己判断で「四十肩」と決めつけるのは、危険だと、改めて思いました。
整形外科で、レントゲンを撮ってもらって、可動域を調べてもらって、いろいろ確認した結果、
「典型的な肩関節周囲炎(四十肩)ですね」
と診断されました。 あー、よかった、と思いつつ、
「先生、これって、どうしてなるんですか?」
と、聞いてみました。
お医者さんの答え
お医者さんの答えは、こうでした。
「正直、はっきりとは、わかってないんです」
え?
「いくつかの説があって、患者さんごとに状況が違うから、原因を特定するのが難しい」 「一般的には、関節を包んでいる組織の炎症と癒着が主な原因と考えられている」 「ただ、それだけじゃない要素も関係していると思われる」
これ、聞いて、ちょっと意外でした。 こんなにポピュラーな症状なのに、原因が完全には解明されていないんだ、と。
「じゃあ、どうしたらいいんですか?」
「痛みを和らげながら、可動域を保つ運動をして、時間をかけて治していく」 「完全に治るまで、数ヶ月から1〜2年くらいかかることもあります」
数ヶ月から1〜2年。 これ、けっこう長い旅になるな、と覚悟しました。
家に帰って、原因の諸説を調べてみた
夕食の後、子どもたちが寝てから、わたし、ノートを広げて、四十肩の原因について、調べてみました。
そしたら、本当に、いろんな説があるんですよ。 お医者さんが「はっきりわかっていない」と言ったのが、よくわかりました。
説①:関節包の炎症と癒着
これがいちばん有名な説。
肩の関節は、関節包という袋に包まれている。 何らかの理由で、この関節包に炎症が起きる。 すると、関節の中で組織同士が癒着してしまう。 癒着が広がると、肩が動かしにくく、痛みが出る。
「癒着」というのは、本来離れているはずの組織が、くっついてしまうこと。 これが、肩が急に上がらなくなる理由、と説明されることが多い。
説②:血流量の低下
これも、けっこう支持されている説。
加齢に伴って、肩周辺の血流が悪くなる。 血流が悪いと、組織への酸素や栄養が届きにくくなる。 すると、組織が硬くなったり、傷の回復が遅れたりする。 これが、肩の不調につながる。
「40代になると、体のあちこちで血流が悪くなる」というのは、聞いたことがある気がする。 肩も、その対象になっているのかもしれません。
説③:軟骨のすり減り(摩耗)
これは、ちょっと違うニュアンス。 変形性肩関節症という、もうちょっと別の症状と関係する話。
肩の関節の中の軟骨が、年齢とともにすり減っていく。 これによって、関節がうまく動かなくなり、痛みが出る。 ただ、これは「典型的な四十肩」とは、ちょっと違うとされる。 お医者さんは、わたしのレントゲンを見て、「軟骨はまだ大丈夫」と言ってくれていました。
説④:腱板の問題
肩を動かす腱板という、筋肉とつながる組織がある。 これに細かい損傷が積み重なって、痛みが出る、という説。 これも、四十肩と関連する要素として、よく語られる。
説⑤:全身的なホルモンバランス
これは、最近よく聞く話。 特に女性の場合、更年期のホルモン変化が、関節や腱の状態に影響する、という説。 わたしの年齢的にも、これは無関係ではないかもしれない。
つまり、結局、複合要因
ここまで読んで、わたしが感じたこと。
「四十肩の原因は、ひとつじゃない」
いくつかの要因が、複雑に絡み合って、症状を作り出している。 だから、
- 治療法も、ひとつじゃない
- 治る期間も、人によって違う
- 効くやり方も、人によって違う
これが、四十肩というものの、本当の姿なんですね。
ある人は、ストレッチで早く治る。 ある人は、ステロイド注射が効く。 ある人は、何もしなくても、数ヶ月で治る。 ある人は、1〜2年かかる。
それぞれの体で、それぞれの原因のミックスがあって、それぞれの治り方がある。 これ、なんだか、人間の体って、本当に複雑なんだなと、しみじみしました。
わたしの場合、何だったのか
お医者さんに、もう一度聞いてみました。
「わたしの場合、原因として、何が大きいんでしょうか?」
お医者さんの答え。
「たぶん、複合要因です」
そして、わたしの生活を聞いた上で、
- 長年の家事による、肩への負担(洗濯物を干す動作、食器洗い、調理など)
- 長時間のスマホ・パソコン使用による、姿勢の悪さ
- 更年期に近い年齢による、ホルモンバランスの変化
- 加齢による、関節周辺の組織の自然な変化
これらが、複雑に絡んでいる可能性が高い、と。
「つまり、ふつうの主婦の生活が、ずっと続いてきたら、ある日、肩に来た」
そういうことなんですね。 誰にも、特別な理由はない。 普通に生きていたら、ある日、こうなる。 それが、わかったような、納得したような、ちょっと寂しいような、複雑な気持ちでした。
わが家での、わたしの暮らし方
お医者さんからは、いくつかのアドバイスをもらいました。 ただ、これはわたしの場合、なので、皆さんの状況とは違うかもしれません。 自己判断せず、必ずお医者さんに相談してから、何かを始めてくださいね。
わが家で、わたしが日常的に気をつけていることを、書いておきます。
①痛い動きは、無理しない
これがいちばん。 痛いのに、無理して腕を上げたり、力を入れたりすると、悪化する。
たとえば、
- 洗濯物を高いところに干す:夫に頼む、または、低い物干しに変える
- 重い荷物を持つ:なるべく避ける
- 腕を後ろに回す動作:急にやらない
これ、最初は「主婦の仕事が減らせない」と思ったけれど、家族に「ちょっと頼みたい」と言うと、意外にみんな手伝ってくれる。 特に夫が、洗濯物を干してくれるようになったのは、いい副産物でした。
②お風呂で温める
肩を温めて、血流を良くする。 これは、お医者さんも勧めてくれた、けっこう基本的なケア。 湯船に肩までゆっくり浸かる。 これだけで、その夜は、ちょっと楽になる気がする(個人の感想です)。
③簡単な体操
お医者さんに教わった、可動域を保つための簡単なストレッチ。 振り子のように腕を揺らす運動とか、壁に手をついて、指でゆっくり登っていく運動とか。 無理せず、痛みのない範囲で、続けている。 完璧にやろうとしない、というのが、続けるコツです。
④姿勢を意識する
これも、お医者さんに言われたこと。 猫背になると、肩関節に負担がかかる。 特に、スマホを見ているときの姿勢が、いちばん悪い。 意識して、首と肩を、まっすぐに保つ。 これも、地味に大事。
⑤家族の理解
「お母さん、肩が痛いから、これは手伝って」と、素直に言う。 これが、いちばん効きました。 夫も、長男も、長女も、わたしが肩が痛いと知ってからは、いろいろ気遣ってくれるようになった。
長男が、「母さん、これ運ぶよ」と、重い段ボールを持ってくれた日、わたしは、ちょっと泣きそうになりました。 中2男子、こういうときに、ちゃんと優しい。 家族の存在が、いちばんの治療かもしれない、なんて、ちょっと大袈裟ですが、本気で思いました。
治るまでの時間
お医者さんに言われたのは、
「早ければ3〜6ヶ月、長いと1〜2年くらいかかります」
わたしの場合、肩の痛みが出始めてから、3ヶ月くらい経ちました。 今のところ、
- 最初の頃よりは、痛みが減ってきた気がする
- でも、まだ完全には治っていない
- 特定の動きは、まだ痛い
という状態です。 焦らず、ゆっくり、付き合っていくしかない。
これ、調べてみてわかったのが、**「ゆっくり待つ」**というのが、四十肩の治療法のひとつ、ということ。 急いで治そうとしても、治らない。 時間をかけて、自分の体が回復するのを、待つ。 そういう病気というか、症状なんだそうです。
40代後半、というのは、いろいろなものが、急に治らない年齢に入っていくんだな、と。 これも、一つの学びでした。
子どもたちと、夫と
「お母さん、肩、まだ痛い?」 長女が、最近、よく聞いてくれます。 わたしは、
「まだ、ちょっと痛いけど、だいぶマシになったよ」
と答えるのが、最近の日課。
長男も、わたしの肩を心配して、
「整形外科、定期的に行ったほうがいいよ」と、ちょっと大人びたコメント。
夫は、洗濯物干しの担当が、いつのまにか固定化してきました。 本人は、「まあ、それくらいやるよ」と、ちょっと得意げ。 肩が痛くなって、地味に、家族の役割分担が、ちょっと変わりました。
これ、ある意味、四十肩の「副産物」かもしれません。 家族みんなが、わたしの体のことを、ちゃんと気にかけてくれるようになった。 わたしも、無理せず、家族に頼ることを、覚えた。
40代後半って、こういう、**「自分一人で頑張らない」**を学ぶ年齢、なのかもしれませんね。
まとめ:わたしの今のところの結論
四十肩について、わたしが知ったこと、整理しておきます。
①原因は、完全にはわかっていない 癒着、血流、軟骨、ホルモン、姿勢など、複合要因とされる。
②自己判断せず、まず整形外科 肩の痛みには、他の病気の可能性もある。
③治療には、時間がかかる 数ヶ月から1〜2年。焦らず、待つ。
④日常生活の小さな工夫 無理しない、温める、簡単な体操、姿勢を意識する。
⑤家族の協力を、素直にお願いする 一人で抱え込まない。
⑥効くやり方は、人それぞれ 他人の体験談を、鵜呑みにしない。 自分の体と相談しながら、自分のペースで。
さいごに
ある朝、突然、肩が痛くなって、ベランダで洗濯物を干せなくなった、わたし。
最初は「わたしも、ついに、四十肩」と、ちょっとショックでした。 でも、整形外科に行って、調べて、家族にも頼って、3ヶ月かけて、ちょっとずつマシになってきた。
そして、調べたら、四十肩の原因は、まだ完全には解明されていない、ということも、わかった。 人間の体って、本当に複雑で、わからないことだらけ。 それを、急いで治そうとせず、付き合っていく。 そういう年齢に、わたしは入ってきたんだな、と思います。
それでは、もし、あなたも、ある日、肩が痛くなったら、まずは整形外科に行ってくださいね。 そして、自分の体に、優しくしてあげてください。 家族にも、頼ってください。
体は、わたしたちが思っているより、ずっと、たくさんのものを抱えながら、動いてくれています。 時々、痛くなって、教えてくれる。 それを、ちゃんと聞いてあげる時間も、これからの人生では、大切な時間。
それでは、無理せず、ゆっくり、過ごしてくださいね。
