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もう一匹、迎えようかな……で揺れているあなたへ。わが家のリアルをお話しします

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ペットショップの前を通るたび、足が止まる。 保護猫のサイトを、夜な夜なスクロールしてしまう。 SNSで多頭飼いさんの動画を見ては、「いいな……」とため息をつく。

そんな日々を過ごしていませんか?

私もそうでした。 すでに1匹、愛しい先住猫がいるのに、なぜか「もう1匹いたら、もっと幸せかも」という気持ちが消えなくて。 でも、先住猫のことを思うと、踏み出せなくて。

「うちの子、新しい子を受け入れてくれるかな」 「ストレスをかけたら、かわいそう」 「私のエゴで、今いる子を不幸にしたらどうしよう」

このあいだで、何ヶ月もぐるぐるしていました。

今日は、そんなふうに迷っていた私が、実際にもう1匹を迎えてみて起こったことを、ありのままお話しします。 キレイごとも、後悔も、両方そのまま書きますね。

これから迷っている方の、何かのヒントになれば嬉しいです。


目次

わが家の場合:迎える前のこと

先住の子は、当時8歳の女の子。 子猫のころからずっと一人っ子で、私と夫の愛情をひとり占めしてきた、ちょっとお嬢様気質の子でした。

人懐っこいけど、他の猫を見たことはほぼなし。 動物病院で他の猫とすれ違ったときは「シャーッ!」と威嚇していたので、正直、相性のことはずっと気になっていました。

それでも私が「もう1匹」と思った理由は、いくつかあって。

  • 日中、私が出かけているあいだ、一人にしているのが申し訳ない
  • 私たち夫婦も歳をとっていく中で、いつかこの子が一人になる日を考えると不安
  • 純粋に、もう一度子猫から育てたいという気持ち
  • 同じくらい猫を愛してくれる仲間が、家にもう一匹いてくれたら、と思う夜があった

夫とも何度も話し合いました。 「先住の子の気持ちを最優先にする」「合わなかったら、ちゃんと別の道を探す覚悟を持つ」、そう約束して、保護猫団体さんから生後2ヶ月の男の子を迎えることに決めました。


迎えた最初の1週間:わが家の崩壊

ここから先は、覚悟して読んでくださいね。 甘い話じゃないです。

子猫を連れて帰ってきた日。 キャリーケースの中で「ミャー、ミャー」と鳴く新入りの声を聞いた瞬間、先住の子の表情が変わりました。

毛を逆立てて、尻尾をぶわっとふくらませて、低い声で「ヴーーーッ」とうなる。 8年間、一度も聞いたことのない声でした。

「あ、これはまずい」と直感しました。

その夜、新入りは別室に隔離。 先住の子は、私のひざに乗ってきましたが、いつもならゴロゴロ言うはずなのに、その日は固まったまま。耳をぴたっと伏せて、目を見開いて、何かに耐えるように、じっとしていました。

私、その姿を見て、夜中にトイレでこっそり泣きました。 「ごめんね、ごめんね」って、何度も心の中でつぶやいて。

「私、なんてことをしてしまったんだろう」

これが、迎えた当日の正直な気持ちでした。


2週目:ごはんを食べなくなった先住

新入りを別室に隔離していても、においや気配は伝わります。 先住の子は、3日目からごはんをほとんど食べなくなりました

大好物のちゅーるも、ぺろっとなめて去っていく。 カリカリは半分以上残す。 水だけは飲んでくれていたけど、明らかに元気がない。

毛づくろいの回数も減って、毛並みがぼさぼさになってきて。 お気に入りのキャットタワーにも登らず、押し入れの奥に隠れて出てこない日もありました。

動物病院の先生に相談したら、「ストレスからくる食欲不振でしょう。少し時間がかかるかもしれません」と。 深刻な病気ではないとわかってホッとしたけど、目の前の現実は変わらない。

私はこの時期、本当に追い詰められていました。 「あの子を、もとの保護団体に返すべきじゃないか」 「私たち夫婦には、多頭飼いは無理だったんじゃないか」

夫と何度も話しました。 夫は「もう少しだけ、様子を見よう」と言ってくれて。 私はそれを聞きながら、自分でも答えが出せずにいました。


転機は、突然やってきた

迎えてから3週間目のある夜。

新入りを別室に入れたあと、私がリビングで先住の子をなでていたら、ふすまの向こうから、子猫の「ミャー、ミャー」というか細い鳴き声が聞こえてきました。

そのとき、先住の子が、ふっと顔を上げて、ふすまのほうを見たんです。 威嚇でも、警戒でもなく、ただ「見た」

そして、ゆっくり立ち上がって、ふすまの前まで歩いていって、すんすんとにおいを嗅ぎはじめました。

その背中を見ながら、私は息を止めて見守っていました。

しばらくして、先住の子は私のところに戻ってきて、いつもよりちょっとだけ長く、ひざの上にいてくれました。

その夜から、すこーしずつ、何かが変わりはじめたんです。


ゆっくり、ゆっくり、近づいていった2匹

それからの私たちは、本当にゆっくり進めました。

最初は、ふすま越しに「におい交換」だけ。 お互いの寝床に使っていたタオルを、毎日交換する。 「これが新入りのにおいだよ」「これが先住の子のにおいだよ」と、それぞれに覚えてもらう感じ。

次に、ケージ越しの対面。 新入りをケージに入れて、リビングに出す。先住の子は最初、近づきもしませんでした。遠くから見て、シャーッと言って、また隠れる。 それを毎日、5分、10分と繰り返して。

1ヶ月目には、ケージの周りを先住がうろうろするように。 2ヶ月目には、ケージのすぐ近くで先住がごはんを食べられるように。 3ヶ月目で、初めて同じ部屋で過ごせるように。

完全に打ち解けるまで、半年かかりました。


半年後のわが家

今、わが家のリビングを見渡すと、2匹がソファの両端で、それぞれお昼寝しています。

先住の子(今は9歳)は、新入り(もうすぐ1歳)にお母さんのような態度を取るようになりました。 新入りが私にちょっかいを出してきて、私が「もー、やめなさい」と言うと、先住が「ヴッ」と一声鳴いて、新入りを諌めてくれることもあります(本当に。何度も見ました)。

新入りが寝ているところを、先住がぺろぺろなめてあげている姿を、初めて見た日。 私はキッチンで皿を洗っていた手を止めて、しばらく動けませんでした。

「ああ、よかった……本当によかった……」

8年間ひとりっ子だった子が、新しい家族を受け入れてくれた。 これは私の力じゃなくて、先住の子の、優しさのおかげでした。


迷っているあなたに、正直に伝えたいこと

ここまで読んでくれたあなたに、私の本音をお話しします。

多頭飼いは、簡単じゃないです。 SNSで見るような、すぐに仲良くなって一緒に寝るような世界は、現実ではそう多くないと思います。少なくとも、わが家ではありませんでした。

最初の1ヶ月、私は本当に消耗しました。 先住の子の元気がない姿を見るたびに、自分を責めました。 新入りの可愛さに癒されながらも、その可愛さを素直に受け取れない罪悪感がありました。

でも、私はやってよかったと思っています。

理由は、半年たった今のわが家を見ているからではなくて、 あの3週間目の夜、先住の子が、自分から新入りのほうへ歩いていった、あの後ろ姿を見たからです。

あの瞬間、私は「猫って、私たちが思っているよりずっと、柔軟で、強くて、優しい生き物なんだ」と気づきました。


迎える前に、考えてほしいこと

私の体験から、もし「多頭飼い、するかも」と考えているあなたに、いくつかお伝えしたいことがあります。

「絶対にうまくいく」と思わないで うまくいかない可能性が、ちゃんとあります。相性が悪くて、別々の部屋で暮らすことになるご家庭もあると聞きます。それでも引き受ける覚悟ができてから、迎えてあげてください。

先住の子の性格を、よく見てあげて うちの先住の子は、もともと穏やかで、不器用ながらも順応する力がある子でした。 神経質な子、縄張り意識の強い子、シニアの子には、多頭飼いの負担が大きいこともあります。「自分の子は、どんな子かな」と、改めて見つめてあげてください。

最初の数ヶ月は、覚悟しておいて 別室を用意する必要があります。トイレも、ごはんの場所も、最低でも2匹分。生活動線が変わります。「すぐ仲良くなる」と思わずに、半年スパンで考える心の余裕を持ってください。

先住の子を、いちばんに 新入りが可愛いのは当たり前。だからこそ、先住の子に「あなたがいちばんだよ」を伝え続けてあげてください。新入りより先に、ごはん。新入りより先に、なでなで。新入りより先に、おやつ。これを徹底すると、先住の子の不安が、少し軽くなります。

獣医さんに相談できる関係を作っておく 何かあったときに、すぐに頼れる動物病院があるかどうか。これは、多頭飼いを始める前に必ず確認しておいてほしいことです。


さいごに、ひとつだけ

迷っているあなたへ。

「もう一匹」を迎えることが、必ずしも正解ではないかもしれません。 今いる子と、ふたりだけの濃密な時間を過ごす選択も、同じくらい素敵だと、私は思います。

もしあなたが、「先住の子のために迎えたい」と思っているなら、ちょっとだけ立ち止まってみてほしいんです。 猫は、人間が思うほど「仲間が欲しい」と思っていない子も多い、と聞きます。本当に「もう一匹」を望んでいるのは、もしかしたら、あなた自身かもしれない。

それは、悪いことじゃないです。 私もそうでしたから。

ただ、自分の気持ちと、ちゃんと向き合ってあげてほしい。 「私はなぜ、もう一匹を迎えたいんだろう?」 「先住の子にとって、それは本当に幸せにつながるかな?」 「うまくいかなかったとき、私は両方の子を、最後まで守れるかな?」

この問いに、自分なりの答えが出せたなら、きっと、どちらの道を選んでも大丈夫です。


わが家の2匹は、今夜もリビングで、それぞれの場所で寝ています。

先住の子のしっぽが、新入りの背中に、ちょこんと乗っているのを見るたびに、 あの泣いた夜のことを、ふと思い出します。

不安だったあの日の私に、もし会えるなら、こう言ってあげたい。 「大丈夫。あなたの家の子は、あなたが思っているより、ずっと優しいよ」って。

迷っているあなたが、どんな決断をしても、その先に穏やかな毎日が待っていますように。

それでは、今日もどうぞ、猫さんと一緒にあたたかな時間を。


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この記事を書いた人

40代後半、夫と中2の長男、小4の長女、猫2匹(三毛のミケと
茶トラのソラ)と暮らす主婦です。ぬか漬けや家庭菜園、
お風呂掃除のちょっとした工夫、40代の体と向き合うこと、
猫との毎日 ── 完璧でも特別でもない、ふつうの暮らしの
中で「これ、わたしもそうだった」と思ってもらえる話を
書いています。

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