スーパーの帰り道、駅前を歩いていたら、宝くじ売り場の前に行列ができていました。
「あ、そういえば、ジャンボの時期か」
足を止めて、しばらく行列を眺めていたんです。 おじいさん、若いカップル、スーツのサラリーマン、私と同じくらいの主婦らしき人。 みんな、なんだか少し、わくわくした顔をしている。
私、宝くじって、たぶん10年くらい買ってないんですよ。 若い頃は、なんとなく年末に1枚買ったりしてたんですが、子どもが生まれてからは「そんなお金があったら、おむつを買う」と、すっかり縁が切れていました。
でも、その日は、なんだか無性に、買ってみたくなったんです。 財布の中の1,000円札を見て、「今日は、これで夢を買ってみようかな」と。
結論から言うと、大きくは当たりませんでした。(これは先に書いておきますね) でも、当たる前から、ちょっといいことがあったんです。 今日は、その「10年ぶりの宝くじ」のお話を、ゆるっとさせてください。
まず、種類が増えててびっくりした
久しぶりに売り場の前に立って、最初に思ったのが「え、こんなに種類あったっけ?」でした。
私の記憶だと、宝くじって「ジャンボ」と「スクラッチ」くらいだったんですが、今は本当にいろいろある。
ざっくり、季節ごとに大きな「ジャンボ宝くじ」が出ていて、
- 年明けくらいに「バレンタインジャンボ」
- 春に「ドリームジャンボ」
- 夏に「サマージャンボ」
- 秋に「ハロウィンジャンボ」
- 年末に「年末ジャンボ」
みたいに、季節ごとに名前が変わって出てくるんですね。 私が買いに行ったのは、ちょうど夏前の「ドリームジャンボ」の時期でした。
それ以外にも、毎週・毎日抽選があるロト系の数字を選ぶタイプとか、その場で削るスクラッチとか。 売り場の人に「初めてみたいなものなんですけど」と正直に言ったら、「じゃあ、まずはジャンボがわかりやすいですよ」と教えてくれました。
バラと連番、どっちにするか問題
ジャンボ宝くじを買うとき、「バラにしますか?連番にしますか?」と聞かれます。 10年ぶりの私は、ここで「えっと……」と固まりました。
売り場の方が、優しく教えてくれました。
連番は、番号が続いた10枚セット。 これだと、1等が当たれば、その前後賞も一緒に当たる可能性がある。「大きく当てたい」人向け。
バラは、番号がバラバラの10枚セット。 当選番号に引っかかる「チャンスの幅」が広がる。「とにかく何か当たってほしい」人向け。
私は、迷った末にバラを選びました。 「1等が当たる未来」より、「何かちょっと当たる未来」のほうが、私の性格には合ってる気がして。
3,000円分(10枚×3セット……ではなく、バラ10枚で3,000円)買いました。 財布の1,000円札3枚。これが、わが家の「夢の予算」でした。
売り場、どこで買うか問題(これも今は選択肢が多い)
ちなみに、宝くじって、今はいろんな買い方があるんですね。
駅前やデパートの宝くじ売り場 昔ながらの対面販売。私はここで買いました。
ネット購入 公式サイトで会員登録すれば、スマホやPCからも買えるそうです。 当選確認も自動でしてくれて、当選金も口座に振り込まれる。「売り場に並ぶ時間がない」という人には便利。
私は、今回は「久しぶりだし、せっかくなら売り場の雰囲気を味わいたい」と思って、対面で買いました。 でも、「毎回並ぶのは大変」という方には、ネット購入も選択肢としてアリだなと思いました。
「よく当たる売り場」みたいな話も聞きますが、これは、たくさん売れている売り場ほど当選が出やすい(ように見える)というだけで、確率自体は変わらないそうです。 だから私は、いちばん近い売り場で買いました。
当たる確率、調べてみたら、笑っちゃった
買ったあと、ちょっと気になって、「ジャンボ宝くじ 1等 確率」で調べてみたんです。
そうしたら、1等が当たる確率は、2,000万分の1くらい、と。
2,000万分の1。 ピンとこなくて、もう少し調べたら、「雷に打たれる確率より低い」みたいなことが書いてあって、思わず笑っちゃいました。
正直、「えっ、そんなに低いの。じゃあ意味ないじゃん」と一瞬思いました。
でも、ちょっと考えて、思い直したんです。 私は、3,000円で「2,000万分の1の夢を見る権利」を買ったんだな、と。 当たる確率の低さは、最初からわかってる。それでも買うのは、たぶん、当選そのものより、「もしかしたら」を考える時間が欲しいから。
そう思ったら、3,000円が、ぜんぜん惜しくなくなりました。
当たる前の「妄想タイム」が、いちばん楽しかった
ここからが、今回いちばんお伝えしたいことかもしれません。
宝くじを買って、抽選日までの数週間。 この期間の「もし当たったら」の妄想が、本当に、楽しかったんです。
夕飯のとき、家族に「ねえ、もし宝くじ当たったら、何したい?」と振ってみたら、これが、思いがけず盛り上がって。
長女(小4):「ディズニーランドに毎週行く!あと、猫グッズ買う!」
長男(中2):普段あんまり喋らないのに「……家、建て替えたい。あと、いいゲーミングPC」
夫:「えー、まず借金(住宅ローン)返すでしょ。それから……温泉、ゆっくり行きたいな」
私:「私は、もう、ぜんぶの家事を誰かにお願いしたい」
って、家族みんなで、しばらくキャッキャ言ってました。
特に、長男が珍しく会話に乗ってきたのが、嬉しかった。 「家を建て替えたい」なんて、この子、そんなこと考えてたんだ、と。
宝くじって、当たらなくても、**「家族が、それぞれの夢を口に出すきっかけ」**になるんですね。 3,000円で、こんなに豊かな食卓の時間が買えるなら、安いものだなと思いました。
宝くじ、どこに保管しておくか問題
買ったはいいものの、「これ、どこに置いておけばいいんだろう」と、ちょっと悩みました。
10枚のバラ券、けっこう薄っぺらくて、無くしそう。
調べてみると、保管のコツとして、
- 直射日光と高温多湿を避ける(印字が薄くなることがある)
- わかりやすい場所に(当選確認を忘れないため)
- 縁起をかつぐなら、暗くて静かな場所、という説も
私は、結局、仏壇の引き出しにしまいました。 昔から「宝くじは神棚や仏壇に」と言いますし、何より「絶対に忘れない場所」だったので。
夫には「気が早いな」と笑われましたが、わが家のご先祖様に「よろしくお願いします」と、こっそり手を合わせておきました。
抽選日、そして当選確認
抽選日が来て、数日後。 ドキドキしながら、当選番号を確認することにしました。
確認方法も、今はいろいろあるんですね。
- 売り場に持っていって調べてもらう
- 公式サイトで当選番号を見て、自分で照合する
- 公式アプリで、券の番号を入力 or 撮影して確認
私は、公式サイトで当選番号を表示して、仏壇から出してきた10枚を、一枚一枚、照合していきました。
長女が「ママ、私も見たい!」と隣に来て、ふたりで「下一桁、当たってないかな……」と。
結果。
10枚のうち、1枚が、下一桁当選。300円。
……300円。
長女が「えー、300円かあ」と、ちょっとがっかりした顔。 私も、正直、心のどこかで「もしかしたら」を期待していたので、ちょっとだけ、しゅんとしました。
でも、ゼロじゃなかった。当たった。 3,000円が300円になって戻ってきた。
でも、損した気は、まったくしなかった
冷静に計算すれば、3,000円使って、300円戻ってきた。 2,700円のマイナス。
でも、不思議なことに、「損した」という気持ちには、まったくならなかったんです。
だって、この数週間で得たもの、
- 家族で「もし当たったら」を語り合った、楽しい食卓の時間
- 長男の意外な本音(家を建て替えたい)を知れたこと
- 売り場に並んで、ちょっとしたお祭り気分を味わったこと
- 仏壇に手を合わせて、ご先祖様にお願いした、あのちょっと厳かな時間
- 抽選日まで、毎日ちょっとわくわくしていた、その気分
これ、ぜんぶ、2,700円で買えたんだと思うと、むしろ安い娯楽だったなと。
映画を家族で見に行ったら、もっとかかります。 そう考えたら、宝くじって、「当てるためのもの」じゃなくて、「夢を見る時間を買うもの」なのかもしれません。
ただし、ここは正直に書いておきたい
楽しかった、と書きましたが、ひとつだけ、正直にお伝えしておきたいことがあります。
宝くじは、「当たったら儲けもの」くらいの、娯楽の予算でやるものだと、私は思っています。
「当てて生活を立て直そう」とか「これに賭けるしかない」みたいな気持ちで買い始めると、たぶん、苦しくなる。 確率は、さっき書いた通り、本当に低いんです。
わが家の場合は、「今月は、ちょっと余裕があるから、3,000円だけ夢を買おう」という感覚でした。 家計簿の「娯楽費」の枠の中で、おさまる金額。
毎月、生活費を削ってまで買うものではないし、「次こそは」とムキになるものでもない。 当たらないのが普通で、当たったらラッキー。 この距離感だけは、忘れないようにしようと思っています。
ちなみに、これは余談ですが、もし高額が当たった場合、当選金には税金がかからないそうです(宝くじは購入時点で税金が含まれている仕組みなので)。 まあ、わが家には縁のない話でしたけどね。300円には、税金もへったくれもありません。
当たった300円の、その後
最後に、ちょっとほっこりした話を。
当たった300円。 これ、どうしようかと家族で相談して、結局、みんなで分けられるお菓子を買うことにしました。
近所のスーパーで、長女と一緒に300円ぶんのお菓子を選んで。 その日の夜、家族4人で、ちょっとずつ分けて食べました。
長男が「これ、宝くじで当たったお菓子かよ」と、なんだかんだ言いながら食べてて。 夫が「来年も買おうか」と言って。 長女が「次は1等当てる!」と、気の早い宣言をしていて。
300円のお菓子なのに、なんだか、すごく美味しかった。
宝くじ、当たったのは300円だったけど、得たものは、たぶんもっと大きかったです。
さいごに
10年ぶりに宝くじを買ってみて、思ったこと。
それは、宝くじの本当の価値は、**「当選金」じゃなくて「当たるまでの時間」**にあるのかもしれない、ということ。
家族で夢を語り合う時間。 ちょっとわくわくしながら過ごす数週間。 当選番号を、ドキドキしながら照合する瞬間。
これらは、当たっても外れても、ちゃんと手に入る。
もちろん、無理は禁物です。 娯楽費の範囲で、「夢を見る時間を買う」くらいの気持ちで。 それなら、宝くじって、けっこう豊かな趣味なのかもしれないな、と思いました。
来年のジャンボ、わが家はまた、3,000円ぶんの夢を買うと思います。 仏壇のご先祖様、その時は、またよろしくお願いします。
それでは、今日もどうぞ、ささやかな夢とともに、穏やかな一日を。
