朝、ベランダに洗濯物を干そうと出たら、すごい鳴き声が聞こえました。
カラスが、複数。 近所の電線とか、隣の家の屋根とかに止まって、
「カア、カア、カア、カア」 「カアー、カアー、カアー」
なんだか、いつもより、明らかに多いんです。 そして、明らかにうるさい。
干していた洗濯物の手を止めて、空を見上げたら、雲が低くて、湿った空気。 朝なのに、なんとなく蒸し暑い。 そして、カラスの鳴き声が、しつこく続く。
そのとき、ふと思ったんです。
「カラスがうるさいときって、雨が降るって、誰かが言ってなかったっけ?」
長女(小4)が、リビングから「ねえ、母さん、なんかカラスうるさくない?」と顔を出してきました。 わたし、「うん、これたぶん、雨降るやつだよ」と、根拠ゼロで答えました。 そして、その日、本当に夕方から大雨になりました。
「あれ、当たった?」
今日は、その「カラスがうるさいと、雨が降るのか」を、わたしが調べてみた話を、書かせてください。 ちょっとした、梅雨時期の雑談として、読んでもらえたら嬉しいです。
まず、わたしが聞いたことある言い伝え
実家にいた頃、祖母から聞いた覚えがあります。
「カラスが水浴びすると、雨が降るんだよ」
これ、子どもの頃、なんとなく聞き流していたんですが、調べてみたら、けっこう古くから日本各地で伝わっている言い伝えだそうです。
それから、
- カラスが朝早くから騒がしいと、その日の天気が荒れる
- カラスがいつもと違う方向から鳴くと、雨が近い
- カラスが低空飛行をすると、雨が降る
地域によって、いろんなバリエーションがあるみたい。
これ、迷信といえば迷信。 科学的に証明されているわけじゃない。 でも、何百年も日本人が言い継いできた、ということは、それなりに根拠っぽいものがあるんじゃないかな、と、わたしは素朴に思いました。
科学的に、どうなのか調べてみた
民間伝承だけ信じるのは、ちょっと心もとないので、もう少し調べてみました。
結論から言うと、
「カラスがうるさい=雨が降る」を直接証明する科学的な研究は、特にない
そうです。
うーん、やっぱり、と思いつつ、もう少し読み進めると、面白いことがわかってきました。
動物が気圧を感じている、という話はある
雨が降る前って、気圧が下がりますよね。 人間でも、気圧が下がると頭痛がする、関節が痛む、という人がいます。 これは、科学的にも認められている現象。
動物は、人間よりさらに敏感に気圧の変化を感じ取る、という研究もあるそうです。 特に、鳥や昆虫は、気圧変化に対して行動を変える、と。
つまり、
- 気圧が下がる → 鳥が落ち着かなくなる
- カラスがいつもと違う行動をする(うるさく鳴く、低く飛ぶ)
- その後、雨が降る
という流れは、完全に否定しきれない、ということ。 直接の因果関係は証明されていないけれど、関連性がゼロとも言えない。
なるほど、と思いました。 昔の人の観察眼って、案外、馬鹿にできないんですね。
そもそも、カラスはなぜ鳴くのか
ついでに、カラスの生態についても、調べてみました。 これ、知らなかったことがいろいろあって、面白かったです。
鳴き声には意味がある
カラスは、けっこうコミュニケーション能力が高い鳥で、鳴き声にいろんな意味があるそうです。
- 「カア、カア」と断続的に鳴く → 縄張りを主張している
- 「カアー、カアー」とゆっくり鳴く → 仲間とのコミュニケーション
- 「ガアッ!」と濁った声 → 警戒、または威嚇
朝、わたしが聞いた「カア、カア、カア、カア」は、たぶん、縄張り主張だったのかも。
4月〜7月は繁殖期で、特に騒がしい
これ、わたしが知らなかった大事な情報。
カラスは4月から7月くらいまでが繁殖期で、この時期は特に警戒心が強くなり、鳴き声も多くなる、とのこと。 今、まさに、その季節。
つまり、6月の今、カラスがうるさいのは、雨の前触れかもしれないし、単純に繁殖期だからかもしれない。 両方の可能性がある。
「あー、それもあるか」と、わたしは思いました。 カラスの行動を、なんでも「天気のサイン」に結びつけるのは、ちょっと早計だったかも。
わが家のその日の天気
冒頭にも書きましたが、わたしが「カラスうるさい!雨降るかも!」と長女に言った日、
夕方から、本当に大雨でした。
夫が会社から帰ってくる時間に、ザーザーと降り始めて、夫はずぶ濡れで帰宅。 洗濯物は、朝のうちに引っ込めておいてよかった。
「ねえ、母さん、当たったね」 長女が、ちょっと感心したように言いました。
わたしも、ちょっと得意げな気分。 カラスのおかげで、洗濯物が濡れずに済んだ。 これは、感謝するしかない。
でも、こんな日もありました
得意げになったわたし、その後、何回か「カラスの鳴き声」を観察するようになりました。
そして、わかったこと。
カラスがうるさい日が、必ずしも雨にならないこともある。
ある日、朝からカラスが大騒ぎ。 「これは、雨だな」と確信して、洗濯物を全部室内干しに。 ところが、その日はピーカン晴れ。 夕方まで雨の一滴も降らず、室内干しの洗濯物が乾かない、というオチ。
長女に「カラス、当たんなかったね」と言われ、 「いやいや、これは違う日だから」と苦しい言い訳。
つまり、
カラスがうるさい = 雨が降る、は、当たることもあるけど、ハズレることもある。
科学的な根拠が薄いんだから、当たり前といえば当たり前。 でも、それを実体験で確認できたのが、ちょっと面白かったです。
結局、何がわかったか
ここまでの観察と調査を、まとめてみました。
①「カラスがうるさいと雨」は、昔からの言い伝えとして存在する 日本各地に、似た言い伝えが残っている。
②科学的に直接証明された因果関係は、ない ただし、動物が気圧変化を感じ取ることは、関連性として認められている。
③カラス自体は、繁殖期(4〜7月)に特に騒がしい 鳴き声=天気のサイン、と短絡的に結びつけられない。
④実体験では、当たることもあるし、外れることもある 天気予報ほどの精度はない。
つまり、
「うちのカラスの鳴き声を、参考程度に耳を傾ける」
これくらいが、ちょうどいい付き合い方なんじゃないかな、と。
言い伝えって、面白い
調べていて、思ったことがあります。
民間伝承って、よく**「迷信」「科学的根拠なし」**と切り捨てられがちです。 確かに、それは事実。
でも、何百年も人間が観察してきた経験の蓄積でもあるんですよね。 昔の人は、天気予報も気象庁もなかった。 だから、自分の周りの自然を、本当によく見ていた。
カラスがうるさい。 ツバメが低く飛ぶ。 猫が顔を洗う。
こういう小さな観察を、たくさん積み重ねて、「これがあると雨」という経験則を作っていった。 全部が当たるわけじゃないけれど、ある程度の傾向はあったのかもしれない。
それを、現代のわたしたちが「迷信だ」と切り捨てるのは、ちょっともったいない気がします。 昔の人の観察眼に、ちょっと敬意を払いつつ、自分でも観察してみる。 それくらいの距離感が、いちばん、いいんじゃないかな、と思います。
アメジストの話と、ちょっと似てる
これは、前にも書いた話なんですが、わたし、こういう「科学的には証明されてないけど、何かありそう」みたいな話を、頭ごなしに否定するのが、あまり好きじゃないんです。
友人からアメジストをもらった話を書いたとき、同じようなことを書きました。 「効果が科学的に証明されていなくても、信じる人を否定するのは違う」と。
カラスの言い伝えも、似ています。 当たるときもあれば、当たらないときもある。 それを、自分の目で確かめながら、楽しむ。 そのくらいが、わたしの感覚です。
ミケとソラは、どうしてたか
ちなみに、カラスがうるさい朝、わが家の猫たちは、どうしていたか。
ミケ(雌、9歳)は、リビングの窓辺で、じっとカラスの方向を見ていた。 猫って、外の鳥の鳴き声を、けっこう聞いてるんですよね。 ピクッと耳が動いて、目で追って、たまにカチカチと歯を鳴らす(これ、猫が獲物を見たときにする「クラッキング」というやつ)。
ソラ(雄、1歳)も、ミケに釣られて、窓に駆け寄って、外を見ていた。
「あんたたち、カラスのこと気にしてるの?」と聞いたら、振り返らず、じっと外を見続けるソラ。 たぶん、人間より、猫のほうが、自然の変化に敏感なのかもしれません。
カラスの鳴き声で、雨が降るかどうかを予測するより、ミケとソラがソワソワし始めたら、傘を持って出る、というほうが、実は当たるかもしれません(笑)
さいごに
朝、カラスが大声で鳴いている。 窓を開けたら、湿った空気が、ふわっと顔にかかる。
そういうとき、わたしは、「あ、今日は雨かもね」と、家族にちょっと声をかけます。 当たらないこともあるけれど、当たったときの「ほら、ね」のドヤ感、けっこう好きです。
科学が全部を説明してくれるわけじゃない。 昔から伝わる言い伝えに、ちょっと耳を傾ける時間も、悪くない。 そして、当たっても外れても、「それはそれ」と笑える、その余裕があれば、毎日が少し楽しくなる気がします。
それでは、これから梅雨本番。 お宅の近所のカラスが、今日は何を言っているか、ちょっと聞いてみてくださいね。 当たったら、ぜひ、家族にドヤ顔してみてください。 当たらなかったら、笑い飛ばしてくださいね。
