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大谷翔平を見ているときの子どもたち、真剣な顔をしているんですよ

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我が家のリビングには、大画面のテレビが、特別なものとして君臨しています。

買ったのは数年前。 夫が「リビングのテレビ、そろそろ買い替えようか」と言い出して、家電量販店に行って、夫がほぼ衝動買いのように決めました。 わたしは「もったいない」と思っていましたが、今となっては、これはこれで、いい買い物だったのかもしれません。

なぜなら、そのテレビの前に、わが家の子どもたちが、ものすごく真剣な顔で座る瞬間があるからです。

大谷翔平の試合中継のときです。

中2の長男も、小4の長女も、普段はリビングでバラバラに過ごしているタイプ。 長男はスマホ、長女は宿題かおもちゃ、わたしは台所、夫はソファでうたた寝。 これがわが家の、ごく普通の夕方の風景です。

でも、大谷翔平の試合が始まると、その風景が、変わるんです。

今日は、その「大谷翔平を見ているときの、わが家の子どもたち」のお話を、母目線で書かせてください。


目次

最初に異変に気づいたのは、長女のほうでした

意外なことに、最初に大谷選手に夢中になったのは、小4の長女のほうでした。

長男は、もともと運動部に入っていることもあって、スポーツ自体には興味があるタイプ。 でも、長女は、運動神経はわたし譲りで、正直、得意とはいえない。 スポーツ観戦も、それまで一度も興味を示したことがなかったんです。

それが、ある日の夕方、テレビをつけたら、大谷選手が打席に立っているシーンが映って。 長女が、宿題の手を止めて、テレビを見上げて、

「ねえ、母さん。この人、すごいね」

って、ぽろっと言ったんです。

わたし、それを聞いて、ちょっと驚きました。 野球のルールも知らない、選手の名前もわからない小4の娘が、「すごいね」と、自然に口にした。

それから、長女、大谷選手の試合があるときは、必ずテレビの前に座るようになりました。 真剣に、本当に真剣に、テレビを見つめる。 打席に立っている瞬間、ピッチャーが投げる瞬間、走り出す瞬間。 全部、息を止めて見ているような顔をしている。

何がそんなにすごいの?」と、わたしが聞いたら、長女、ちょっと考えて、

わかんないけど、すごいの

って、答えました。

たぶん、これがいちばん正直な感想なんでしょうね。 うまく言葉にできないけれど、すごい人を、子どもは子どもなりに、ちゃんと感じ取っている。


中2の長男は、もっと別の反応

長男は、長女とは少し違う見方をしています。

長男は、自分も部活で運動をしているので、**「技術的な凄さ」**を理解できる年齢。 試合中、解説者の人が説明していることを、自分なりに咀嚼しているような顔で聞いている。

そして、ときどき、ぽつりと言うんです。

「あの人、ピッチャーもバッターもやってるって、ありえないんだよ」 「自分の部活で、両方やれって言われたら、絶対無理」 「世界一とか、もう意味わからないレベル」

中2男子が、こんなふうに、誰かを素直に「すごい」と認める。 これ、わたしの長男としては、けっこう珍しい姿なんです。

普段の長男は、思春期真っただ中で、何かにつけて「別に」「うん」「まあ」のスリーワード。 褒められたら照れ、何かを誉めるのも照れ、感情を表に出すのが下手な年頃。

それが、大谷選手の話になると、目に光が宿る、というか。 「自分なりに何かを感じている」のが、母にも伝わってくるんです。

これが、いいんですよ、本当に。


わたしも、つい見入ってしまう

正直に告白すると、わたし自身も、最初は野球にはあまり興味がありませんでした。

実家の父はプロ野球ファンでしたが、わたしは小さい頃から、まあ、ふんふん、と聞き流していたタイプ。 ルールもよくわからないし、ピッチャーとキャッチャーくらいしか知らない。

でも、子どもたちが真剣に見ているのを、横目で見ているうちに、わたしまで、ちょっとずつ引き込まれていきました。

「あ、いま打った」 「あ、ホームランだって」 「あれ、ピッチャーもやってるんだ」

ニュースで聞きかじったような情報が、子どもたちのおかげで、少しずつつながっていく。 これが、なんだか面白いんです。

夫は、もともとサッカー派なんですが、家族みんなが見ているので、最近は付き合いで一緒に見ている感じ。 「俺はサッカーのほうが」と口では言いながら、結局、ソファに座って一緒に画面を見ている。

つまり、わが家のリビングが、大谷選手の試合のときだけ、家族4人プラス猫2匹で同じ方向を向いている。 これ、考えてみたら、けっこう貴重な時間なんですよね。


子どもたちが、何かを感じ取っている

わたし、母として、子どもたちの様子を見ながら、こんなことを考えています。

大谷選手という人が、なぜ、これほどまでに人を惹きつけるのか。 わたしは野球のことを詳しく知らないので、技術的な凄さは、たぶん本当の意味では理解していない。 でも、子どもたちが真剣に見ている顔を見ていると、何か、技術以上のものを彼らは感じ取っているんだなと思うんです。

たぶん、

  • 諦めないで努力を続ける姿
  • 本気で打ち込む姿
  • 結果が出ても、奢らない姿

こういう、言葉にすると陳腐な「人として大事なこと」を、画面越しに、なんとなく感じ取っているんじゃないかな、と。

長女が「わかんないけど、すごい」と言ったあの感覚。 長男が「意味わからないレベル」と素直に認めるあの感覚。

子どもって、説明しなくても、本物の何かを、ちゃんと察知するんだな、と。 親が「すごい人だから見なさい」と言ったわけじゃないんです。 子どもたちが、自分から「あ、この人すごい」と気づいた。

これが、いちばん大事なことだと、わたしは思います。


親が「教える」より、子どもが「気づく」

子育てしていると、つい、親が**「これは大事だよ」「あの人を見習いなさい」**と教えたくなります。 でも、たいていの場合、教え込まれたことは、子どもの心に残らない。

逆に、子どもが自分で「あ、すごい」と感じたものは、ずっと心に残る

長女が大谷選手を「すごいね」と言った日、わたしは「そうだね」とだけ返しました。 何も解説しなかった。 「いい子だね、人の頑張りに気づけて」みたいな、教育的な言葉も、言わなかった。

そういう瞬間は、子どもがひとりで完結させたほうがいい、と思ったんです。 親がああだこうだ言うと、せっかくの感動が、薄まる気がして。

長女、その後も、特にわたしに大谷選手の話を解説してもらおうとは言いません。 自分で、テレビを見て、自分なりに何かを受け取っている。 それで、十分です。


ちなみに、ミケとソラはどうしてるか

家族みんなが真剣にテレビを見ているとき、わが家の猫2匹は、まったく違う世界にいます。

ミケ(雌、9歳)は、テレビに無関心。 だいたい、わたしの足元か、夫の膝の上で寝ています。 人間が騒いでも、ピクリとも反応しない。 「あんたたち、なに騒いでるの?」みたいな顔で、目を細めている。

ソラ(雄、もうすぐ1歳)は、たまにテレビの前を歩いて、画面を見上げます。 動く映像が気になるみたい。 特にホームランボールが飛んでいく軌道を、目で追っていることがある(気のせいかもしれないけど)。 そして、すぐに飽きて、別の場所に行く。

人間が大谷選手に夢中になっているリビングで、猫2匹だけが、完全に普段通り。 それを見ていると、なんだか、笑えてきます。 **「あんたたちには関係ないわよね」**と思いつつ、その日常の安定感に、ホッとする。


親として、ちょっと嬉しいこと

大谷選手の試合を見ているときの子どもたちを見ていて、わたしが地味に嬉しいのは、

「家族で同じものを見て、同じ瞬間に同じ気持ちになっている」

ということです。

普段、わが家の4人は、本当にバラバラなんです。 それぞれの趣味、それぞれの予定、それぞれのスマホ。 食卓を囲む時間も、年々短くなっている。

中2の長男は、もうすぐ親と一緒に過ごす時間が、確実に減っていく年齢。 小4の長女も、あと数年で思春期に入る。 夫とわたしも、お互いの仕事や家事で、別々の動きをしている時間が長い。

そんなわが家が、大谷選手の試合のときだけ、リビングに集まる。 画面を見て、ハラハラして、ヒットが出たら一緒に「おお!」と声を上げる。

これって、たぶん、家族で過ごす時間のひとつの形なんですよね。 そして、こういう瞬間って、後から振り返ったときに、けっこう大事だったな、と思うものだと、わたしは思っています。

子どもたちが大人になって、家を出て行ったとき。 「あの頃、大谷選手の試合を、家族みんなで見てたよね」 そう振り返れる時間が、今、わが家で積み重なっている。 それは、わが家にとっての、ちょっとした宝物です。


さいごに

大画面のテレビを、夫が衝動買いした日。 わたしは「もったいない」とぶつぶつ言っていました。

でも、今、そのテレビの前で、わが家の子どもたちが、本気で真剣な顔をしている瞬間がある。 それを見られるなら、あのテレビ、買ってよかった、と思います。

子どもたちが「すごい」と思える人が、世の中にいる。 そのすごい人を、家族みんなで、同じ瞬間に応援できる。

これって、わたしが思っていた以上に、家族にとって貴重な時間でした。 夫の衝動買い、結果的に、わが家の財産になっていました。 (本人には、絶対言いませんが)

それでは、お子さんがいるご家庭で、お子さんが「あの人すごい!」と何かに目を輝かせる瞬間があったら、どうぞ、その瞬間を大事にしてあげてくださいね。 親が解説しなくても、子どもは、ちゃんと本物を見抜いてますから。


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この記事を書いた人

40代後半、夫と中2の長男、小4の長女、猫2匹(三毛のミケと
茶トラのソラ)と暮らす主婦です。ぬか漬けや家庭菜園、
お風呂掃除のちょっとした工夫、40代の体と向き合うこと、
猫との毎日 ── 完璧でも特別でもない、ふつうの暮らしの
中で「これ、わたしもそうだった」と思ってもらえる話を
書いています。

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